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アントロサロン

公助、自助、共助と言いますが、最近の年金の話題で考えてみましょう。

 

国民年金、厚生年金は本来、公的補助です。広く保険金を集めて高齢などで働けなくなった時に支給されます。

それがなんと、それだけでは生活できないので何千万円も自分で準備しておくようにとの政府発表。

その原因は資金の運用失敗もありますが、元来制度設計が不十分であったとしか言えません。

その結果、高齢化社会に対応できなくなってしまったのです。

 

そこで政府は自助、自分で不足分を用意するように言うのですが、容易な額ではありません。

従って重要な考え方として浮上してくるのが、共助です。

公的な制度では不十分、個人の努力でも追いつかない、そんな時には皆で助け合いましょう、という共助です。

 

既に共済会という形で県民などに提供されていますが、傷害保険、損害保険が主で生活全般に供されるものではありません。

一方、企業には福利厚生の制度があり、住宅補助、出産祝い、各種見舞金などいわばゆりかごから墓場までの共助がありますが、残念ながら充実した福利厚生は大企業に限られています。

ちなみに全企業中大企業といわれ福利厚生が充実しているのは0.3%に過ぎません。

 

誰もが一人一人、個人としてゆりかごから墓場まで大企業並みの十分な福利厚生を受けられる共済会が望まれます。

 

ルドルフ・シュタイナーの社会運動であるアントロポゾフィーに社会三層化運動があります。

当時、第一次大戦後に荒廃したヨーロッパ社会を立て直すために主張されたのですが、社会活動を政治、経済、文化に分類し、

三者が互いに悪影響を与えず、独自に適切な活動ができるように考えられたものです。

 

例えば政治が経済に介入、操作するのは弊害が多いということです。つまり企業の政治献金、それによる特定企業の優遇。

また年金資金の政府による運用も考え直さねばなりません。

 

文化活動には、芸術、教育が含まれます。これも政治が介入すべきではありません。

つまり政治は外交、立法が主たる仕事となり、その他の分野は当事者に任せるべきです。

詳しくはシュタイナーの著書をご参照下さい。あるいはアントロサロンで。